【完】彼を振り向かせる方法
―――……
「ねぇねぇ!その跡ってもしかして、ついに翔と……!?」
休み明け、生徒玄関先で会った穂乃香ちゃんは、
私の首筋に視線を移すやいなや、目を輝かせてそう言った。
「え……ついにって……」
もしかして、アレのこと?
中学生男子みたいに反応する私を見て、穂乃香ちゃんは少し肩を落とした。
「そっかぁ、キス止まりだったかぁ……」
あれ、なにもいってないのに……私ってそんなに分かりやすい?
「それにしても翔、よく我慢したなぁ」
クラスごとの下駄箱に分かれる前、穂乃香ちゃんは小さくそう呟いた。
え……?