【完】彼を振り向かせる方法
それはつまり、カケちゃんの事がまだ好きだっていうこと?
不安が見え隠れしたその瞬間、「あ、待って」と穂乃香ちゃん。
「安心して千紘ちゃん」
「……?」
「私、いま幸せだから」
ふふっと天使のように笑う可愛い彼女。
「彼氏、いるんだよ」
そしてまた、お得意のピースサイン。
「えっ……そうなの!?」
こんなに可愛い子に彼氏ができたら、すぐさま学校中に広まるだろうに……。
「これ、内緒ね。皆に知れると大変だから」
ウインクとともにその言葉を残して、穂乃香ちゃんは手を振って自分のクラスへ向かった。
「え、えぇ……」
要するに、私とカケちゃんは、穂乃香ちゃんという名の天使……
いや、小悪魔に弄されていたようなのです。