【完】彼を振り向かせる方法






太陽に晒す肌を、なんとか最小限に抑えようと、両手で肘を覆う私。




「でもそれ、指定なんでしょ?しかも結構本気で可愛いよ、千紘」


凛はそう言いながら、まじまじと私を見る。


応援席の人たちも、三年生のムカデ競走の最中だっていうのに、こちらに目配せ。




カケちゃんの望みがどこかで聞こえていたのか、チアの案を出したのは穂乃香ちゃんだった。



まぁ……私は女子なだけ、まだいいかな。




遠くの方で、敵チームの同級生にまでいじられている神崎くんに、視線を向ける。



私とおんなじ、紺色に黄色ラインのミニスカ衣装。



耳の方まで真っ赤に染まっていて、相当に恥ずかしいんだってことがここからでもよくわかる。




「翔、それ知ってんの?」



お気の毒に……。そう思っていた私に、光波は問いかけた。





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