【完】彼を振り向かせる方法
「神崎くん!行くよ!」
「は、はいっ!」
キリッと自分自身に喝を入れて、神崎くんの腕を引いて、応援席の先頭に立った。
「うぉ~、チアやべぇ」
「な、超ミニスカ。上条さんって可愛いのな」
「それいうなら神崎もだろー?肌白すぎ」
後ろからコソコソと、男子たちの声。
全部聞こえるっての……!
私と神崎くんは、同じように顔を真っ赤にさせて、気を紛らわせるように前を向いた。
そのときちょうど、応援ソングが流れて、選手の入場が始まる。
赤、緑、オレンジ、青。
各チームの色別Tシャツを着た選手たち。
そして、黄色。
「カケちゃん……」
そんな小さなつぶやきが届いたのか、彼はこちらに視線を向けたんだ。