【完】彼を振り向かせる方法
「頑張ります」
心の中とは裏腹、口から出たのはそんな言葉。
そりゃあ、できるだけ一緒にいてほしいけど……やっぱり、無駄には出来ないじゃん。
一生懸命、教えてくれてるんだもんな……。
ん?じゃあさ……
「ねぇ、ヒロチー」
「……うん?」
いいこと、思いついた。
徐々に自分の顔がニヤけていくのがわかる。
「俺がこれ、ヒロチーに教わった後1人で解けたらさ……ご褒美に、キスしてよ」
自分の唇に指を添えて、彼女にそう頼んでみた。
「え……えぇ!?」
お決まりのようにあたふたとするヒロチー。
驚いているみたいだけど、嫌ではないんだってことは、なんとなくわかる。