【完】彼を振り向かせる方法


大切にしたいという思いと、全て奪ってしまいたいという思いが交錯して……


終いには前者に軍配が上がり、印だけつけて歯止めを効かせたわけだけど。


『カケちゃん……』


なんて甘い声で囁かれたら、我慢できなくなるのが男でしょ。




いまだってその例外じゃない。

瞳を潤わせてこちらを見上げている、その仕草はかなりヤバイ。


ゴクリと喉を鳴らすと、一気に緊張感が漂った。


「……ヒロチー」

「は、はいっ」


この雰囲気になると、毎度固まるヒロチー。


そんなところも可愛くてたまらない。


でも……出来ればキュッと結んでいる口を少し解いて、キスをしたい。


その方法は……


< 398 / 401 >

この作品をシェア

pagetop