【完】彼を振り向かせる方法


「ん……」


角度を変えてもう一度重ねると、艶っぽい声が漏れる。


理性の崩壊を加速させるのには、十分だ。


「ヒロチ……」

唇の隙間を縫って、本能を滑り込ませる。

箍が外れた。もう抑えらんねぇ……。

突き飛ばされでもすれば、我慢できたんだろうけど。


一生懸命応えようとしてくれている。

そんな彼女がとても愛おしい。



ーーー……


今までで1番……長く濃厚なキスを終えた後、お互いに顔を火照らしながら見つめ合う。


俺は、キスをする前よりも潤んでいる彼女の瞳の上に、チュッと音を響かせた。


< 400 / 401 >

この作品をシェア

pagetop