【完】彼を振り向かせる方法
「あ!」
突然あることを思い出して、ひらめきの声を放った。
「…なんか思い出した?」
「そういえば今日、色気は"だす"ものじゃなくて"つける"ものだって、凛が言ってた!」
なるほど…あれは香水のことだったんだ……。
ふむふむと頷きながら納得する。
「クスッ…やっぱあきねーなぁ、ヒロチーは。」
「…え?」
「一家に一人くらい欲しわ」
家電じゃないんだから……
…って、
「あーー!」
「今度はなんだ?」
再び無邪気に私を見つめるカケちゃんとは裏腹、
段々と色を失っていく私の顔。
「日本史の道具取りにきたんだった…」