【完】彼を振り向かせる方法
ガクリと肩を落とす私。
そうだ…元はと言えば勉強するために戻ってきたのに…
「まぁ…いーじゃん、たまには。香水ゲットできたんだし?」
「…そう、だよね。うん、じゃあそろそろ勉強しに帰ります…」
「おう…じゃ、俺も日誌置いてくるわ」
どちらからともなく席を立つ私たち。
なんだかちょっと、懐かしいな…この光景。
無意識に笑みが漏れる。
「なーに笑ってんだよ」
「ううん……なんでもない」
楽しかったんだよね…あのとき、カケちゃんと放課後二人で勉強する時間。
「カケちゃん」
日誌を持って教室を出ようとする彼を呼び止める。
「今日はほんとにありがとう」
その言葉を聞いたカケちゃんは、ピースサインを残して教室を去って行った。