【完】彼を振り向かせる方法
それに、雨の日はいつもより駅までの道のりが長く感じるんだ。
「わっ、もう32分!」
37分の電車に乗る予定の私は、水たまりを避けて走った。
べつに、37分の電車じゃなくても余裕で予鈴には間に合うんだけど。
じゃあなんでその時間に乗らなきゃいけないかって?
それはね…
「あ!雛水先輩ー!」
7時35分。
私は駅のホームに滑り込んで、ブレザーを嫌味なく着こなす彼のもとへ駆け寄った。