【完】彼を振り向かせる方法




「そうですけど…この香り、好きですか?」



「…好き」



ドキンッ。


なに私ときめいてるんだろう。

好きって、この香りのことなのに…。



そんな風に見つめられたら、余計に顔…熱くなってきちゃいます。




でも…嬉しいな。



先輩、気に入ってくれたんだ…。




カケちゃんにあとでお礼いっておかなくちゃ。



「…あ。」


「…??」



声に反応して先輩をみると、彼は電車の中の広告の一つをじっと見つめていた。



「先輩…これ、観たいんですか?」



「…うん」



私の方に目も向けず、広告に釘付けの先輩。



それは、来週土曜日公開の映画の広告だった。


< 56 / 401 >

この作品をシェア

pagetop