【完】彼を振り向かせる方法
いままでずっと、手を繋いで他愛のない話で盛り上がりながら歩くだけのデートに憧れてた。
先輩とそうなることだって、何度夢見たことかわからない。
それなのに…勢い任せで誘ったあとに悩むなんて、ダメだな私…。
「そんなに思い詰めなくてもいいんじゃねーの?」
声のするほうに顔を持ち上げるとそこには、
さっきまでバカにして笑っていた光波が優しく笑っていた。
ったく…こうゆうとこあるから、嫌いになれないんだよね。
「そうそう、千紘はありのままでいいんじゃないの?まぁ…あるとすれば問題は、洋服くらいかな〜」
凛はニヤつきながら私を見つめる。
よ…洋服かぁ……。
「千紘のセンスは悪くないけど……ジーンズが多いイメージ。
デート服なら少し気合い入れて、女子モードオンの格好してみなよ」
コクコクと頷く凛の言葉に、はてなが散乱する私の脳内。