【完】彼を振り向かせる方法
「はじめるぞー」
お。グッドタイミング。
ちょうど担任がそこへ入ってきて、いつもの挨拶が交わされる。
「えーと…今日からテスト一週間前になるが…」
ピシャンッ______!
教卓の後ろで話す担任の言葉を遮ったのは、この部屋の扉の開く音。
何事かと思ってみんなが同じ方向に視線を注ぐ。
私もそのうちの一人だった。
「…大地、遅刻。」
横目で扉を勢い良く開けた人物を見ながら、担任は冷たく言い放った。
「え、マジ?」
本気で驚きながら扉を離れているのは、他の誰でもない、カケちゃんだった。