【完】彼を振り向かせる方法
また首を傾げて私の後ろ姿を見つめるカケちゃん。
…ここでいい、かな?
とりあえず教室付近を離れて、普段はあまり使わない階段の裏に彼を連れ込んだ。
うん、ここなら人目気にならないし…いいよね。
「どーした?」
腕を離すのと同時に、カケちゃんは目を見開いて言った。
「お願いって、なに?」
「あの……ね、先輩と…デート?することになって…」
「お、マジか!よかったじゃんか」
そう言って、ニッと笑って喜んでくれる。
「…うん、だけどね…初デートで……どうしたらいいのか分からないんだよね」