【完】彼を振り向かせる方法
「ごめんねっ。やっぱこんな可愛いワンピなんて似合わないよねぇ私。着替えてくるよっ」
軽く作り笑いをして言った。
先輩は、こーゆうワンピースが似合う可愛らしい女の子の方が好みかな…?
そんなことを思いながら試着室の扉を閉めようとした、
そのとき。
「え、ちょ、ヒロチー待って!」
「…カケちゃん?」
いままで一言も発しなかったカケちゃんが、扉を閉めようとする私の手をギュッと掴んだ。
「ねぇ…今のそれ、本気で言ってた?」
「え…」
「似合ってないって…本気で言ってた?」
背の高いカケちゃんに上からグイッと顔を近づけられると、
私の心臓は大きな音を立てた。