【完】彼を振り向かせる方法
「カケちゃん…どうしたの?」
そう問いかけてもまだ私に目を合わせてくれない。
ほんとに、変だよカケちゃん。
「お客様、ご試着していただけましたか?」
「「うわっ…!」」
そんなときいきなり店員さんがひょっこりと顔を出してきたので、
私とカケちゃんは飛び退いて距離を保った。
「彼女さん、そちらお洋服とってもお似合いですよ!」
「へっ?え、あ、彼女…では…」
「このお色もイメージにピッタリですね…彼氏さんがお選びになったんですか?」
店員さんの言葉はもちろんカケちゃんに向けられたもの。
うぁぁ…違うのに…っ。
恥ずかしさとカケちゃんへの申し訳なさとで、顔を手で覆い隠した。