【完】彼を振り向かせる方法
まあ……彼の方はきっと、私以外の子とこうやって街ブラするのだって
日常茶飯事なんだろうけど……。
「ヒロチー」
「へっ?」
カケちゃんのことを考えている間にちょうど名前を呼ばれて、変な声が出てしまった。
「あれホントだよ」
「…あれ?」
「あの服、似合うって言ったの。」
「え…。あぁ、そう?やっぱり?」
「うん」
キュッ…。
照れ隠しでせっかく私、ぼけてみたのに…そんなの台無し。
真面目な顔で頷いたりするから、胸が少し締まる音がした。