【完】彼を振り向かせる方法
なんならファミレスのほうがよかったかも…。
「ヒロチー何食べるー?」
「えっ、あ…私は……」
手渡されたメニューを開いて、とりあえず値段を確認する。
…よかった、思ったより高くないや……。
ほっと胸をなでおろして、カケちゃんに「ペスカトーレと、飲み物はジンジャエールにする」と伝えた。
「すみませーん」
こうゆうのも、慣れてるのかな…?
カケちゃんが店員さんを呼ぶ姿も注文する姿も、なにもかもが自然体に見えてしまう。
…そりゃそうだよね。
数多くの女の子とデートしてるんだもんなぁ…。
「デートって明日だっけ?」
「うん、そう…明日」
突然の問いかけに頷くと、彼はニヤッと口角を持ち上げて笑った。