【完】彼を振り向かせる方法
あれ、また…耳赤い?
カケちゃんを見つめてそんなことを思いながらも話を続けた。
「そう、それでね…先輩が気づいてくれたの。あの香りに」
「お、マジで?」
「うん。で…この匂い、好きだって言ってくれて……」
「ははっ…ヒロチー顔真っ赤だよ?」
だって…思い出しちゃったんだもん。
あの日、先輩が電車の中で『好き』って言ったくれたときのこと…。
もちろん、"香りが"だけどね。
「カケちゃんのおかげだよ。ありがとう」
「いえいえ。少しでも役に立ててよかった」
頼んだ料理が運ばれてきたのは、カケちゃんがそう言ったのとほぼ同時だった。
「てゆーか…カケちゃんコーヒー?」
「そーだけど…どした?」
「い、いやぁ…」