新撰組~時を超えた出会い~
夕食が終わり、皆それぞれ自分の部屋へとやらへ戻っていった。
そして私は・・・
「で、いつまでそこにいるつもりだ」
「あなたが寝るまでですけど」
私は土方の部屋の障子の前で正座している。
「あのなぁ」
「土方、お前、小姓をなんだと思ってる?主人に仕え、主人が起きる前に起きて、主人が寝るまで起きている」
「・・・・」
土方は黙って部屋の中で何かを書いているようだった。
「・・・森蘭丸って知ってるか?」
「・・・?」
「まぁ知らなくて当然だな。この時代は。森蘭丸は織田信長の小姓で可愛がられていた」
「・・・・・」
「信長の言ったことを全てこなした。けど、最後は信長とともに本能寺の変で散った。まぁ、森蘭丸にとって、それは救い・・幸せの死だったんだろうな。故障で尊敬できる人物といえば今言った森蘭丸だ」
「・・・わかった。そうな風な硬い小姓はしなくていい」
「それが小姓なんですけど?」
「・・・・。俺が言ったことをやればいい。今日は部屋に戻って寝ていろ」
「・・・承知。・・つまり、小姓ではなく世話係や雑用係みたいに思っていればいいんだな?」
「あぁ」
「では、おやすみ」
と私は土方の部屋から離れた。