サラリ-マンと女子高生



「今までありがとう」


「こちらこそ」


誰かに言わされているようなセリフに嫌気がさす


ネクタイを返して貰った北斗はあっけなく教室を去っていった



「バイバイ」


誰にも聞こえるはずのない声で私はそっとつぶやく



北斗は後輩だった

たまたま同じ委員会でだんだん仲良くなってって、帰りが遅い時は一緒に帰ったりもした


そんな時ある日北斗に付き合ってって言われてとても幸せだったし嬉しかった。


だけど突然言われたんだ


「別れよう」って



私はただ、「いいよ」ってそれだけ言った


理由なんて聞かないで

ただ、それだけ




なんでもっと可愛くなれなかったんだろう


別れたくないなら別れたくないって言えば良かったじゃん



最後くらい笑って「楽しかったよ」ってどうして言えなかったんだろ




押し寄せるのはたくさんの後悔

今さら無駄なのに

< 11 / 45 >

この作品をシェア

pagetop