サラリ-マンと女子高生
「千咲」
後ろから肩を叩かれる
「…由梨」
「大丈夫じゃないじゃん」
私の顔を見た由梨は苦笑いしながらよしよしと励ましてくれた
「北斗ね、新しい彼女出来たんだと思う」
「…え?本当に?」
由梨の背中をさすってくれていた手が止まる
「…ネクタイ返されたから」
泣くのをこらえながら喋っているせいか上手く言葉が出ない
「…もしかして……」
由梨と北斗は同じバスケ部だからきっと心あたりがあるんだと思う
「いいよ由梨、今はまだ聞きたくないや」
「え?あぁ…ごめんね」
自分が何を考えていたのかを私に気づかれていたのが分かったのか由梨はとっさに謝る
「ううん、大丈夫。
あ、由梨もう部活始まるんじゃない?行きなよ!」
もうLHRが終わってから30分がたっている
それじゃなくてもバスケ部は特に時間に厳しい
由梨がよく私に愚痴るのを聞く
私のために由梨を遅刻させたくない
「でも千咲が…」
「大丈夫だって!今度はさっきと違って本当に大丈夫!なんかもう吹っ切れたし、また新しい恋見つけるよ」