サラリ-マンと女子高生



「それにしても川上さんにまた会えるとは思いませんでした」


「…お礼、するって言ったでしょ?」



それだけのために?


そう思うと胸が締め付けられた気がした



「本当にいいのに…」



「いいの、俺がしたいんだから」


律儀な人なんだな…



なんだか申し訳ない気もするけどここまで来て貰って断るのはもっと申し訳ない気がした



「じゃあ…お言葉に甘えて……」


私がそういうと川上さんは嬉しそうに笑いながら
「形勢逆転だ」


と言った




確かに私がここまで案内するって言った時、川上さんも
『お言葉に甘えて』って言ってたな



「…今日、何時に上がる?」


妙に私が納得していると川上さんが続けて話しかけた



「え、今日ですか?
今日は9時です」


今日は何もかも調子がよくないから本当は違う日が良かったんだけど、そんなこと言ったら川上さんとはもう会えなくなってしまうような、そんな気がした



「9時か-…俺はいいんだけど、あんまり遅いとご両親心配するでしょ?早く上がれる日とかある?日曜とかなら俺、合わせるよ」



…やっぱり川上さんは大人だな

そりゃ歳だって私の上だし当たり前かもしれないけど、そうゆうのじゃなくて雰囲気が大人な感じがする
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