俺とあたしがウソを吐いた日。




「痛いっ!」



三年前は灯汰を傷つけてしまった。

今年は変なナンパに絡まれた。



四月一日なんてもう、ヤダ。

大嫌いだ……!



そう思った瞬間、背中の方から別の腕が伸びてきた。



ギリッ──



「いってぇーっ‼」



ナンパ男が騒がしく叫んだ。



あたしは首を上げる。

そして、涙が滲む瞳で助けてくれた人を見つめた。



「え……?」



灯汰──⁉





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