俺とあたしがウソを吐いた日。
エピソード1 遠いあの日




[灯汰side]



「好きだ」



そう言って俺は緊張から唾を飲みこむ。

ふと目をやると、自分の指先が震えていた。



……カッコ悪。



杏実(あみ)は気づいていないみたいだけど、自分の女々しさが嫌になる。

あいつの返事に「期待やら不安やらで、胸がいっぱい」ってヤツなんだ。






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