俺とあたしがウソを吐いた日。
「灯汰」
「ん?」
「好き?」
「ああ」
「あたしと同じの好き?」
「……お前が今を信じれるなら」
「じゃあ……。一緒だぁ──!」
吸い寄せられるように、顔が近づく。
すれ違い続けた時間の分だけ、優しく甘く唇を合わせた。
「ごめんな……。あの日のウソのこと。
その、調子いいってわかってんだけど……」
くすりと笑った。
焦る灯汰はなんて愛おしいんだろう。
「許しましょう」
それは笑みを含んだ声で。
「だって、あの日はウソを吐いてもいい日だったから」
あたしとあなたは、あの日にウソを吐き続けるね。