奇跡のお皿


「あんな調子だと、来週の卒業式は心配だ。」


先程まで美咲達は卒業式の練習をしていたのだが、落ち着きのない児童が多かった為に、担任の恒川は教室で反省を促していた。

卒業の喜びもあるが、6年過ごした学校との別れという淋しさ…。
新しく始まる中学生という、期待と不安…。

そんないくつもの要素が、児童から集中力を奪っていくのは恒川にだって解っていた。

だからこそ、あえて最初の一言以外は口を開くのを止め、その為に教室は静まりかえっていたのだ。


< 2 / 10 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop