君に逢いたくて~最後の手紙~
1章

高校生

今日は桜木高等学校の入学式の日。




「梨衣奈ぁ~。おはよっ!」



朝から元気よくあいさつしてきたのは、



中学からの友達、前田美夏。




美夏はボブヘアで、明るくてとても元気。



私の自慢の親友なんだ。




「おはよ」



「今日から私たち、高校生だね!」



「うん!」



「彼氏できるといいなぁ…。ねぇ?」



…彼氏?



「私は、いいかな…」




「え?何でぇ。…あ!もしかして、
まだ優斗のこと忘れらんないの?」



「うん、まあ」



「忘れなよ。中学にあがった途端、
何も言わずにどこかへ
引っ越しってたんでしょ?」



「うん……」




私が大好きだった優斗は、
中学生になる前にいなくなった。



どこへ行ったのかは
まったくわからない。

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