君に逢いたくて~最後の手紙~
「優斗ぉ、お願い…梨衣奈を、
助けてあげて!」



私は必死にそう訴えた。



今の梨衣奈を助けられるのはもう、
優斗しかいないから…。



「え!?梨衣奈に何かあったのか!?」



優斗は泣きまくっている私を見て、
驚いている。



「…うん……あのね…梨衣奈が…
いなく、なっちゃたの…」



「は?梨衣奈がいない!?」



「うん……わーん…どうしうよう…?」



梨衣奈……。



心配だよ~。



「泣くな!俺が必ず、探し出すから!」



そう言った優斗の目は、
とても力強かった。



「…うん…分かった。でも…
場所、分かるの…?」



…どこに行くのかメモも残してないし、
手がかりなんてないのに…。



「だいたいは予測できてる」



え?



「どうして…?」



「俺をなめんなよ!俺は梨衣奈の
幼なじみなんだからな!
…でもまあ、突然あいつの前から
姿を消してしまったけど…」


優斗はそう言い、少し切なそうな
顔をした。


「とりあえず、美夏は家で待ってろ。
俺、今から行ってくるから」



でも優斗の顔はすぐに元の
顔に戻った。


力強くて、安心感のある顔に…。


「…わかった…。待ってる」


私がそう言うと、優斗は駅に向かって
走って行った。


< 145 / 209 >

この作品をシェア

pagetop