君に逢いたくて~最後の手紙~
「……うん。あのね、私、
戻りたくない」



私はそう言って俯いた。




「…大丈夫だから。俺がいるから」



優斗…。



そうだね。



優斗がいるからね…。



私も少しは…強くならなきゃ。




「うん…。でも私、もう学校には行けない」



「どうして…?」




私は優斗に隼人のことを話した。




すると優斗は、優しく笑って、
こう言ってくれた。




「それなら大丈夫。もう学校には
行かなくていいから」



え?



もう行かなくていいの?



「なんで?」



「梨衣奈も知ってるだろ?
俺の父親が社長だってこと」



私はうんとうなずいた。



それはもちろん知っている。



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