君に逢いたくて~最後の手紙~
高校に着いて教室に入ると、
美夏が走ってきた。



「おはよ。写真、
ばらまかれなくてよかったね」



美夏が小さな声でそう言う。



「うん。本当によかった。
美夏のおかげだよ」



私はほっとため息をつきながらそう言った。



隼人が写真をばらまかなかったのは、
美夏が隼人の本性が書かれた
メールを、友達に一斉送信して、
それがだんだん広まって、
隼人がこの学校にいられなくなったから。




隼人は高校を退学になった。



その話を聞いて、やっぱり
美夏は最高の親友だと思った。



私のために、こんなにも
してくれるなんて…。



美夏には感謝の気持ちで
いっぱいだ。



「いや~、私は何もしてないよ。
ただムカついただけ」



私はほんとにいい友達もったな。



「ありがとう。あ、そろそろ授業
始まる。座ろ?」



「うん、そうだね」



私たちは席についた。


そのあとすぐ先生が来て、
授業が始まった。



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