君に逢いたくて~最後の手紙~
その日の放課後。



私は朝優斗と別れた場所に来ていた。




理由は、優斗と一緒に帰るため。





ここは帰りの待ち合わせ場所でもある。




しばらく待っていると、優斗が来た。





「ごめん、待った?」



「ううん、全然」



私たちは手をつないで歩きはじめた。




優斗の手、温かいな…。



落ち着く。



私は優斗の顔を見上げた。




じっと見つめていると、
優斗はこっちを向いた。



そして優しく笑う。




…………。



……でもその笑顔は、
一瞬で消え去った。
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