君に逢いたくて~最後の手紙~
2章

親友

向井君に告白された日から


2日後の月曜日…。


「梨衣奈!ほんとに向井君と
付き合ったの!?」


登校して、美夏に向井君と


付き合ったことを話した。


「うん」


美夏、ものすごく驚いてる。


「何で?優斗は?」


「向井君には悪いんだけど、
1人で優斗を待ってるのが
辛くって…。
誰かにそばにいてほしくて、
思わず『うん』って言っちゃった」


私がそう言うと美香は少し


悲しそうな顔をした。


「…そっか。そりゃそうだよね。
優斗がいなくなって、かれこれ
3年だもんね。
向井君には悪いけど、私も、梨衣奈の
そばには誰かがいた方がいいと思う」


美夏もそう思うのか…。


「だって梨衣奈、最近心から
笑えてないもん」


え?美香には分かるの?


……そう。


私は最近心からは笑えてない。


「美香には分かるの?」


私が聞くと、美香は自信満々に


笑った。


「当たり前でしょ?
私はずっと梨衣奈を見てきたんだから」


…そうなんだ。


「美香…ありがとう。ふぇ~」


私は美香の言葉の温かさに


泣いてしまった。


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