君に逢いたくて~最後の手紙~
「じゃあ、私たち帰るね」



私はそう言って席を立つ。



「うん。来てくれてありがと」




「うん。バイバイ」


「バイバイ」




私たちは、みんな優斗に別れを告げ
病室をあとにした。





「梨衣奈ちゃん、美夏ちゃん、
来てくれて本当にありがとうね」



エレベーターに乗っているとき、
優斗のお母さんがそう言って
頭を下げてきた。



「いえいえ。優斗とは…できるだけ
毎日会いたいと思ってるので」



私は笑顔でそう言った。



「そうですよ。優斗は大事な
友達ですから」



美夏もそう言って笑った。




優斗のお母さんは頭を上げ、
また「ありがとう」
と言った。
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