君に逢いたくて~最後の手紙~
「梨衣奈の弁当、梨衣奈が
作ったの?」


「うん。そうだけど」


私がそう返事すると、隼人が
「うまそうだなー」
と言った。


食べたいのかな?


「食べる?」


私が首をかしげて聞くと
隼人は笑顔になった。


「うん!ちょうだい」


私は弁当箱を差し出した。


隼人は卵焼きを食べた。


「うん!おいしい!」


「ほんと!?」


「うん!」


…嬉しいな。


作る側としては、おいしいと
そのたった1言だけで
すごく嬉しい!


「梨衣奈、料理うまいな」


隼人ってば、嬉しいこと
ばっかり言ってくれるんだから。


「ありがとう。よかったら
今度私んちに食べに来ない?」


私がそう言うと隼人は
目を輝かせた。


「マジ!?」


「うん」


すごい喜んでる。


なんか可愛い…。


「行く!」


「分かった」


< 61 / 209 >

この作品をシェア

pagetop