君に逢いたくて~最後の手紙~
そりゃそうだけど…。


でも。ねえ?


「約束したでしょ?
あたしたちの間で隠し事なし!」


「そんな約束したっけ?」


なんてとぼける。


ほんとは
覚えてるんだけどね!


「覚えてるくせに!
どうなの?」


美夏にはなんでもお見通しだ!


そう思った私は、正直に
言った。


とても小さい声で…。


「……って、ないよ・・・」


「まだなんだ?」


「…うん……」


まったく!


なんで私がこんな恥ずかしいこと
言わなきゃなんないの?


また、美夏に早くヤりなって
ごちゃごちゃ言われるかな?


そう思ったけど、
美夏はあっさりしていた。


「まあ、梨衣奈、あんな目に
あったしね?」


…そうだ。


私は中学生の時、
ひどい目にあった。


今でもあの時のことを思い出すと、
体が震えてくる。


どんなことがあったのかというと…
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