君に逢いたくて~最後の手紙~
「あたし、前田美夏。よろしくでーす♪」



「私は、藤梨衣奈です」



美夏があいさつしたので、私もした。




それからみんな、思い思いに
この合コンを楽しんでいた。





数10分たって、楽しそうに笑っている
みんなを、1人で見ていると、
向井君に話しかけられた。




「ねえ。梨衣奈ちゃんは一緒に
話さないの?」




「う、うん」




「何で?」


私、別に彼氏とかいらないし。



とは言えない。



「いや、別に」



だから私はそう言った。




「良かったら、メアド交換しない?」



はい?メアド?



「………」



私は黙り込んだ。




「…いいでしょ?」



う~ん…。




まあ、メアドぐらい
いいかな?



そう思った私は、



「うん。いいよ」



そう言った。




そして私たちはメアドを交換した。



このとき、メアドの交換くらいいっかと
あんな軽い気持ちで交換するから……。




まさか、このあと私にとって、




…忘れられない恐ろしいことが
起きるなんて……



何も考えずに。




「ね、梨衣奈ちゃん。今度俺たち2人で
ご飯食べに行かない?
俺、梨衣奈ちゃんともっと仲良くなりたな」



ご飯か……。



「…うん。別にいいけど」




「ほんとに!?じゃあ予定決まったら
メールするね」




「うん」





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