君だけに。

かーすーみー



「西川君、お疲れ様ぁ~っ」

「ぎゃぁぁぁー!!髪濡れてる!!
ウチ、んもヤバイ!」

「西川君、こっち向いてっ」


静かに見とれる者から、奇声を発する者まで、

心ファンは、様々。


あー、一緒に帰りたかったけど

無理そう。
あんだけ女子に囲まれてるし…

残念だけど、声もかけられそうにないや。


それにしても、やっぱ心カッコ良すぎた。

飛び込みの指先から足先まで

シャープで綺麗なこと!

バタフライの息継ぎの時に

絞まる肩胛骨とか、もうヤバすぎだし!


とか、一人で悶えていると、

「香澄。」

と、小さな声で呼び止められた。

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