君だけに。
「一緒に帰ろ。」
心がそう言ったことで、
女子は急にザワザワしだした。
当たり前。
学校一のイケメンが、女の子を誘うなんて。
みんな何度夢を
みたことでしょう。
「…ダメ?」
心の声は小さいけど、よく通る。
周りに囲まれた女子の視線が痛い…
でも、きっと心は女子のことなんか目に入ってない。
今、心が気にしているのは
私と帰るのが、
ダメか、ダメじゃないか。
それだけ。
私が特別だからとか、
そうじゃなくて
心はいつも、自分の世界に入ってるから。
言いたいことしか言わないし
聞きたいことしか聞かないし
気になることしか気にしない。
そんな、本当に微笑ましいような
性格。