君だけに。


「香澄ー。」


「ん?何?」


暗い道を手を繋ぎながら歩く。

「かーすーみー」

「何~?聴こえてるしぃ~」


「あはははは」

心は、何度も私の名前を呼んで
笑った。

よくあるんだ。

こうやって、心が訳もなく私の名を呼んで
嬉しそうに笑うの。

私も、嬉しい。
< 22 / 89 >

この作品をシェア

pagetop