君だけに。
「うしっ!帰るか!」
存分に瞳美を満足した遥夏君が
立ち上がった。
「もう、遥夏といたら疲れるし!」
「んなこと言うなよっ。
可愛い瞳―…」
「別れる!!!!」
「ごめん!ごめんなさい!」
「次言ったら、ホント潰すよ?」
潰すって…
彼氏だろう…?
「香澄、行こ。」
心が、私の手を握る。
「う…うん」
心が手を繋いでくれることは、
よくある。
一緒に帰るときはいつも。
でも…
何で?
幼馴染みだから?
越えられない壁に、
ドキドキは胸の中でつっかかる。