君だけに。



何で泣いてんの?

聞きたいのに、

聞いちゃいけない気がする。


さっきも、おはようって言ったら
目逸らされた。


ねえ、何で?
昨日の帰り道も、誤魔化せてないよ?

何で俺に隠すの?


「…心、大丈夫だよ?ごめんね。」


香澄は、ニコッと笑って手を放す。


ホントに?

絶対大丈夫じゃないじゃん。

でも、なんかこれ以上はダメな気がして

俺は香澄の言葉に


こくんと一度頷いた。


「…んんまあ、いーや!なんかごめんな!
あ、次現代文…うわー、浜田じゃん!」


「ホントだ!あいつの教え方、下手すぎだよな。マジ全然分かんね。」


前崎と遥夏が、その場のフォローをした。


香澄に迷惑かけたかな…?



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