君だけに。
「今、目合ったよ!!西川君から目合わせてきたもん!
ねー、ヤバくない!?
私、これあるかも!!」
ねーよ。
もう、いい加減迷惑って気づいてよ。
そしたら、
香澄が俺の手を
握る力を強めた。
そりゃ、そっか。
香澄だって、イヤに決まってる。
女子からそんな風に言われんの。
本当に俺、迷惑ばっかりかけてる。
自分勝手だって、自分でもよく思うけど。
「…心…」
誰も居なくなってから、
香澄が小さい声で俺の名前を呟いた。
「何?」
「…っ。ううんっ。
大したことじゃないんだけどさっ、
今日、どんなドラマあるかなーっと思って…」
…無理して笑ってる?
本当は何聞きたかったの?
俺だって、不安なんだよ。
何を行動すれば、この関係が崩されるのか。
いつ、曖昧な関係から抜け出せるのか。
でも、限度とか常識とか
分からなくて、
どこまで幼馴染みで
どこから恋人?
誰か教えてよ。