君だけに。



自分でも驚くほど大きな声が
部屋に響いた。


「あ…っ。ごめん…なさい…」



心がびっくりして、私を見つめてる。



「ハハハ…変…なの。
私…ごめんなさい…」



変。変。変。

変なんだもん。


キスされて、

嬉しいのに

泣いてんだもん。

好きって言われて

幸せなくせに、

自惚れてしまうから、


勘違い、したくなるから、

勝手に期待して

傷付くのが、怖くて。

何よりも怖くて。


弱虫な私が、出した答え。

本当の気持ちを聞くのを

避けるしかなくて。


「ごめん、今日は…帰って。」


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