君だけに。
そういうと、香澄は助けを求めるように私を見つめた。
そんな可愛い顔で見つめられても…
「つまり、その勇気が足りないんだよ。
崩れるかも知れないよ。なにもかもドロドロに。
でも、何もしなくて 新しい何かが生まれるはずがないじゃん。
あんたが勇気出さないなら
幼馴染みからは変わらないしね。
一生。」
一生っていう言葉に、香澄がうつむく。
「あんた次第。
まあ、私は
やらない後悔よりやる後悔がいいと思うけど…」
香澄は、自分の手を見つめながら
溢れた涙を拭った。
「…じゃ、瞳美は?」
「…は?」
「瞳美は、どうやって遥夏君と付き合ったの?」
「…え…」
私が固まると、香澄は私の手を握って
こくんと頷いた。
いやいやいや…こくんって…