や、うん。ちょっとラッキーでした。【短編】三
少し不貞腐れて頬をむぅっと膨らませる咲月くん
きっとこれをあざといと言うのだ
そんなほのぼのとした
このベンチでの会話ももう終わりである
迷子だった咲月くんを助けられた
と言う優越感に久々に浸りながら
立ち上がり
連絡を取れたらしい咲月くんに
手を振った
ふわふわ、
ポカポカ、
さっきよりも数段暖まった
高鳴る胸に満足して
少し遅くなった事を詫びなければなぁと思いながら
みんなが並んでるとこに戻るため
歩き出す
あぁ、そうだ。
会えてラッキーだった、
とか一言
言ってもよかったかなぁ?
……なんてね?
END.