や、うん。ちょっとラッキーでした。【短編】三
「「おはよう。」」
寝起き早々、開口一番
咲月くんが言うであろう言葉を私も同時に言ってみた
また目をくりっとさせて少し驚いたのち、咲月くんが問うて来た
「なんで一人でこんなとこいんの?…迷子?」
それはこちらの台詞だ
吹き出しそうになるのを堪えて私も答える
「いや、ちょっとトイレに行ってただけ。咲月くんは?なんでこんなとこで寝てるの?風邪引いちゃうよ。」
「そっか。いや、うーん。まぁ…迷子なのは俺なんだけど…ね?」