おっかけ!

男がこっちに向かってきます。

『キャッ…』

声をもらしてしまいました。

男は、大丈夫 大丈夫で近づいてきます。


『僕達は、こういうものです。』

男は、私に名刺を渡してきました。








大木プロダクション

山崎拓哉(やまざきたくや)
住所:東京都新宿丁目×の△△

電話番号:090-××××-××××






とかかれていました。
大木プロダクション。知っています。すごく有名です。
でもこんな名刺は、誰でも簡単につくれます。


『君、ぜひうちにはいらないか??』

こんなうそくさいお誘いは、お断わりです。
確かに、あのショッピングセンターあたりは、スカウトされた芸能人がおおいです。
だからスカウトされたら、OKしてしまうでしょう。でも、大御所の事務所と嘘をつかれて、詐欺にあうこともあります。
どうせこの人達も詐欺者でしょう。

『君は、きっとうれる。うまくいくとおもう。そのメガネをはずしてみて。』

嘘っぱちばかりなこの人達のいうことなど、絶対ききません。

いうことを聞かない私にちかよってきて、メガネをはずされました。

『絶対絶対、きみなら…』


『ねぇ?オッサン達ぃ?女子高生に手、だしていいの…??』

『榊原くん…どうして…』

『走るよっ』

榊原は、私の目の前にきて腕をつかみ、走りだしました。

男達は、おいかけてきませんでした。やっぱり、詐欺師だったんですね。



『榊原くん…ありがと…』

私は、走るのをやめました。

『もう、大丈夫だから…』

『そっか…』

榊原は、どうしてここにいるのだろう。

『なんで…私がここにいること、わかったの…??』


『だって…僕の人形になるんだから…守らないと…』

気持ち悪い。また、人形ですか…。

でも、どうして人形なんですか?私は、あなたの彼女じゃダメなんですか??
あっ…べつに彼女になりたいとかそんなんじゃないから…。

『ねぇ?僕のお人形さんになってくれる??』

『お人形さんじゃないとダメなの…』

『お人形さんは、お人形さんでしょ?』

お人形は、お人形…ですか。

そうですか…。

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