おっかけ!
榊原?
まだ寝てる。顔は、まだ赤くてしんどそうでした。
先生を呼んでこようと思った私は、1度保健室を後にしました。
『えっ?保健の先生がいないんですか?』
『そーよぉ。朝からずっと出張でいないわ。』
『そうなんですかぁ。じゃあ…』
『保健室になんの用事なの?』
生徒カウンセラーの月島先生です。
生徒カウンセラーのくせに生徒からやたらと嫌われてるんですよね…。
『別に…』
『しんどい人とかいるの?』
『いえっ…擦り傷をしたひとがいたので…』
とっさに嘘をついてしまいました。
『ケンカでもしたの?それともいじめ??ここ最近いじめがおおいからねぇ…。』
『そんなんじゃありませんよ。ただの擦り傷ですから。』
『それがおこったのは、心の傷からきてるのかもしれないわ。』
『そんなんじゃありませんって…。では、失礼します。』
本当にめんどくさかったので、自ら話しをとめました。
『榊原?……あれっ?』
さっきいた場所に榊原がいません。
寝ていた所は、まだ生あたたかかったです。
『小春ぅ』
廊下から渚の声が聞こえました。
『あっ…なぎ…』
その時、腕をつかまれ、ひきつけられるように後ろにさがりました。
後ろをみると顔を真っ赤にした榊原が…!?
『小春ぅ』
渚が私をよんでいるのに、榊原の手が邪魔して返事ができません。
はなしてよ。
何度もそうおもいました。
『小春、カバンもって…あれれ??小春いないじゃん。』
いやっ…私ここにいる。
ここ…ここ…
気付くわけないよね…。だってここ、物置に使われているカーテンがずっとしまってるベッドなんだもん。
私に気付かず渚は、どこかにいってしまいました。
渚がいなくなったのを確認した榊原は、私をはなしました。
『榊原なにすんのよ!!』
『なにって…とめただけだけど…。』
『はぁ?もーしらない。』
私は、保健室をでようとしましたが、榊原が腕をつかんでとめられます。
ホントにやめてほしいんだけど。
『あのさぁ…そーやって私をとめるのやめてくれないかなぁ…』
『じゃあ…』
そういうと、私の顔を90度ほどかえ、顔を近付けてキスをしました。
『これは?』
キスと腕をつかまれる。そんなの腕のほうがマシにきまってるじゃん。
ありえない。
今日は、千晶をあんな近くでみてラッキーな日だなぁ…なんて思ってたけど、全然ラッキーな日なんかじゃない…。最悪だ。最悪の日だ。
『腕つかまれるほうがマシ。』
『えっ…僕とのキスは、嫌なの…』
『いやにきまってるじゃない。あんたとなんてしたくないの。』
『僕…僕は…』
榊原は、泣いていました。
男がなくなんて情けないと思いましたがだんだんかわいそうにみえてきました。
『あっ…ごめんごめん…』
『じゃあ、僕の話しをきいてくれる?』
泣くのをやめてくれるならいいと思ったので話しをききました。
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