おっかけ!
僕はね、お母さんとお父さんがいないだ。まだ僕が小さい時に。僕は、お母さんにひきとられたんだ。でも、僕が幼稚園に入園する少し前にお母さんは…お母さんは、交通事故でこの世を去ったんだ。
その後、僕とおばあちゃんでお母さんの部屋を片付けていたら、綺麗に保管された黄緑色のワンピースをきた人形があったんだ。
この人形は、おばあちゃんがお母さんの20歳の誕生日にプレゼントした、思い出のつまった人形なんだ。
だから僕は、それをかたみとして大切に育てたんだ。
でも小学3年生の時、それをなくしてしまった。どうしてなくしたのかわからない。
僕は、バカだ。
どうして重要な所をおもいだせないんだ?
そこさえわかれば、あの人形を取り戻せたのに。
おばあちゃんに人形をなくしたことをいうと、次の日、青いワンピースをきたフランス人形をかってきたんだ。
僕は、その人形が気に入らず…というより、あの人形がよくて、泣き出した。
おばあちゃんは、怒るのを我慢して笑ってくれた。
『また今度、一緒に探しにいこうって…。』
でも、その約束は、はたさなかった。
僕が中学2年の時、ガンがみつかって亡くなった。
親戚にひきとられるつもりだったんだけど、あえてやめた。自分は自分1人でいきていく。
それに14歳で一人暮らししてるやつなんて日本にたくさんいるだろう。
そうおもった。
と私に話してきました。